2009年10月24日土曜日

患者は必ず嘘をつく

House05
House M.D. © FOX

ども。

昨日、手術をうけまして、胸にペースメーカーを埋めこみました。ちょっとだけ胸を切ったので、その痛みはありますが、それ以外はすごぶる快調です。今回はホントに急な展開で、心配をかけてしまった方も多いと思うので(とくに会社のみんな)、事の顛末を報告しておこうと思います。

始まりは、10/22(木)の午前5時頃、すごい腹痛にみまわれて、目を覚ましたんですね。そこで、まずはトイレに行って、しばらく安静にしていたのですが、一向に良くなる気配がなくて。ずっとすごく痛いわけです。これは、ひょっとしてなにか食あたりかもと思って、朝早くて病院も開いてないと思ったので、救急車をよびました。

で、救急車が来てくれまして、お腹がすごく痛いという話をしたら、最初はこれまでにかかった事のある最寄りの総合病院に行こうという話になりました。その後、脈をとったら、救急隊員の血相がかわったんですよ。大体30くらいだったかな。その時の脈拍。それにつづいて、心電図をとられてからは、こっちの話はまるで無視。とにかく心臓がやばいので、お腹が痛いって話は完全に無視して、心臓の処置が出来る国立病院に強制搬送されてしまったんです。このやりとりで、自分は最近ハマっているアメリカドラマ、Dr HOUSE を思い出してました。「患者は嘘しかつかない」ですよ。正確な状況判断は出来ないのです、ぎゃふん。

運び込まれた病院で検査したところ、「完全房室ブロック」って状態である事が判明。かんたんに話すと、心臓の中にある「うごけ」って信号をおくるところ(先生曰く、発電所)から出ている信号が、途中で切れて、心臓が半分も動いてないというはなし。そら、脈拍数30も、さもありなん。いやいや、冗談でしょう、痛いのはお腹です、心臓ではないのです。という話しはしたのですが、「実際にそうなんです。電線(信号をつたえる部分)が完全にきれてますね。胃は痛くてもすぐに死ぬ訳ではないので、先に心臓の処置をします」みたいなかんじで、もう大変ですよ。手術になったら、入院だし、しばらく携帯とか使えなくなるってことだったので、すこしだけ時間をもらい、ここでiPhoneで、約束のキャンセルのメールと、Twitter につぶやいてから、手術に向かいました。

まず、最初の手術は、原因の特定の為の心臓血管造影の検査。これで、心筋梗塞などの心臓の筋肉が問題である心配はない事が確定し、信号の伝達の問題(電線切れている)だということが、ほぼ確定。ひきつづき、臨時のペースペーカー(体内にいれずに、体の外につけるタイプ)をとりつけ、明日まで様子を見る事に。いやー、この臨時のペースメーカーは、首の血管から心臓までケーブルを通したんですが、案外簡単に通るんですね。ちょっと、びっくりしましたよ。

ところで、問題のお腹の痛みはどうなったかというと、これが脈拍が安定してきたら、自然と治まったんですね。なんでも、心臓が不安定になると、みぞおちあたりが痛くなることがあるみたいです。レアみたいですが。これ、お腹が痛くならなかったら、寝たまま心停止で死んでしまった可能性もある訳で、ある意味ラッキーだったのかも。ビバ、痛み? ありがとう!この日は、このまま救急病棟に入院して、明けて翌日に臨時に設置してあるペースメーカーの動作状況や心臓の動きをみて、ほんとうに体内にペースメーカーを埋め込む必要があるか、判断することに。

で、明けて23日。結果は「ペースメーカーを入れる事を強くお勧めます」という結果。入れないって選択はぶっちゃけありえないでしょって事ですね。まぁ、こうなる確立は高いと最初から言われていたので、すなおに了承し、その日の午後に手術する事に。いやー、心臓の問題だけあって、急ぐ必要があるのか、色んな事がすごいペースで進みますね。びっくりです。

というわけで、本番の手術ですよ。このペースメーカー埋め込み手術は鎖骨の下を5cmくらい切って、ペースメーカーを入れるポケットをつくり、鎖骨付近の血管から、心臓に2本、ワイヤーを通して、ペースメーカーに接続し、縫合するという内容。約2時間で無事終了して、動作も確認し、一般病棟に移動しました。手術中も局部麻酔だったので、先生達の会話や、術中に自分も多少、質問したりとかできたのですが、一部始終、顔には幕?のような物がかぶせられていたので、心臓に管が入っていく様子などはモニターできず、ちょっと残念でした。最初の臨時ペースメーカーを入れる時は、モニターも見る事ができてなかなかエキサイティングだったんですけれどね。このモニターが8面マルチで天井から吊るしてあって、超カッコイイのです。ドラマみたいな機械はほんとうにあるんだなと実感しましたよ。

で、埋め込まれたペースメーカーに関してですが、心臓に電気信号をおくっているワイヤーが安定したら、普通に運動とかできる様です。よかったよー!特に自転車は手をあまり使わない(登坂ではそこそこつかうけど)スポーツなので、問題ないらしい。ちなみに、手がまずいのは、鎖骨付近からワイヤーが心臓まで伸びていて、ワイヤーが外れるとまずいからみたいです。水泳のクロールなんかむずかしいみたいでした。さらに、どうしても手を使う必要がある人は、体の別のところに埋め込むという選択肢もあるみたいですね。また、心泊数に関しても、いろいろな設定ができる様で、とりあえず私の場合、最低キープする下限心泊数を50、これ以上になったらペースメーカーが補助しなくなる上限心泊数を130に設定することになりました。実際、動ける様になったらもっと本格的な検査をして、設定をする事になってます。ちなみに、自転車で坂を登っている時とかは、140以上の心泊数がつづくから、そういう時はほとんど自分の心臓でがんばる事になりそうですね。運動している時はホルモンとかいろいろ出るので、電線切れてても心臓はそれなりに動くらしいですよ、人体の不思議ですね。自分のイメージだと、ペースメーカーって、つねに心臓を動かす機械だと思っていたけれど、心臓がちゃんと動かない様な時だけ、ヘルプする機械という認識が正しい様です。そうそう、そのために、ワイヤーが2本ついていて、これは1本が電気信号を送り、もう一本は心臓の信号をモニターする為のものらしい。こうする事によって、本来の心臓がうごきたいリクエストに応じて、脈拍をうたせる事ができるとのことでした。なるほど、すばらしい。科学ばんざい!

そして、手術から一晩明けた今、切った胸の痛みも予想以上になく、室内なら歩いていいという許可もおりたので、トイレにも行ける様になりました。ああ、よかった。ただ、残念ながら、抜糸が出来る来週金曜日までは、入院することになりそうなので、およそあと一週間は病院で生活ですよ。うぐぐ。しかし、どうしても進めないと行けない仕事とか、いろいろあるので、ネットに繋いだり、携帯使ったりしても平気な個室部屋にしてもらいました。<いまココ

来週はこの病室からメールとか、 Skype とかで、この状況を乗り切ろうと思っています。ちなみに今は、イーモバイルのモデムで接続中です。

ペースメーカーについては、長い付き合いになりそうなので、これからいろいろしらべたり、していかないとなと思っています。そういえば、ペースメーカーを出しているメーカーって、数社あるんですけれど、自分では具体的に選べなかったんですよね。なんでも、特定のメーカーに偏らない様に、ランダムに選ぶ様になっていますって話でしたよ。一応、海外に行く事もぼちぼちあるので、「海外でもサポート受けられそうなメーカーにしてください」ってだけは伝えて、選定してもらいましたけど。退院のときには機種名とか、教えてくれるようです。ちょと楽しみ。あ、あと、ペースメーカーを体に入れたあとで、特殊な機械をつかって体の外から、ペースメーカーを再設定したり、データを読み取ったりしてたんですが、あのログがほしい!って思うのは私だけでしょうか。パソコンとかでも気軽に参照したりできる様にならないのかなぁ。

と、長々と書いてきましたが、ご心配をかけてしまった皆様、すいませんでした。そして、ありがとうございます。もう、大丈夫です。再来週には復帰しますので、またよろしくおねがいします!また、急ぎの案件のある関係各所の方は、Skypeでの会議になってしまいそうです。なにとぞ、ご協力ください。

ではでは。

9 件のコメント:

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