2006年10月28日土曜日

まいにちいっしょ

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PS3 の発売日も近づいてきて、ついにプレスリリースもでました! まいにちいっしょ です。現在、ウチの全スタッフの総力をあげて最後の追いこみ中であります。



いや、もう、とてもとてもココにはかけないくらい凄いスケジュールでした...ってまだ終わってませんが。いろんな事が凄いスピードで進行中です。



それでも、つくづく幸せだなと思うのが、このタイトなスケジュールの中で素晴らしい仕事をしてくれる凄いスタッフに恵まれていると言うことと、そんなスタッフと一緒に自分も働けるということでしょうか。日々がとても忙しくてたまらないのですが、充実しているのは確かです。



さて、そんな日々ももう少しで終わり...って通常のゲームならそうなるんですが、今回のゲームはネットサービスで日々の配信やアップデートが待ちかまえているわけで、おわりというか、始まりという感じなんですよね。マスターアップしたら全部終わりというような、コレまでのゲームと大きく違うわけです。まぁ、今のような恐ろしいスケジュールにはならないと思いますが...



しかし、逆に言うと、リリース後にお客さんの反響を見ながらゲームを作り続けていける、改良していけると言うことであり、おもしろいチャレンジだといえます。ホント、Web サービスの様な感じです。そう言う意味では、いよいよウチの会社もネットビジネス風の形態へと、変化していく必要があるのかもしれません。微妙なコトバですが、Game 2.0 ってカンジでしょうか。



まぁ、組織の形態はともかく、頭の中は切り替える必要があって、すくなくともこれまで10年間、コンシューマの世界でやってきた分、思考が固くなっている気 がしますから、今度のタイトルでは新しいことに色々とチャレンジしていきたいと思います。このタイミングで、こういう仕事が出来るというチャンスがもらえたことが、ラッキーだと思いますし、そのラッキーをうまく活用して、面白いゲームを作らなくては罰が当たるというモノです。



ネットサービスやネットゲームに関しては、PC 業界に大きく後れを取っていますからね、まずは挑戦者として、追いつけ追い越せってカンジです。



最後になりましたけれど、PS3 を買われる予定の方、まいにちいっしょは無料サービスですので、是非、ダウンロードして遊んでみてくださいね。



さて、がんばってマスターアップです!



2006年10月15日日曜日

チープ革命 in ゲーム開発

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ウチの会社の中では、「デザイナーマシン」と呼ばれているマシンがもっともハイスペックなマシンの代名詞として扱われてきました。



デザイナーマシンというのは、その名の通り、グラフィク・デザイナさんが使用するマシンで、3D のモデリングやレンダリングを行うマシンであり、それらの作業を快適進めるためには、高いスペックが要求されてきたのです。ハイスペックなマシンは当然、その分、高価だったんですね。



たとえば、一番最初、PS1 の開発用として、導入したのマシンは、今は無き DEC の1台200万円以上もするような、とんでもない価格のマシンでした。CPU は、PentiumPro の Dual 構成という豪華さ。



その次、PS2 の初期開発用として、導入したマシンは、DELL 製の PentiumIII 600 MHz Dual 構成のマシンです。このマシンの価格が、68万円。当時、話題の Rambus を採用した最先端マシンだったんですけれど、前回のマシンの約1/3というリーズナブルさでした。初めての DELL マシンの導入だったんですけれど、安いなーという印象がありました。(ただし9台購入して、3台初期不良でしたけど)



で、その後、PS2 後期 〜 PSP までの開発に導入されたマシンは、DELL の Pentium4 2.4GHz のマシンです。このマシンから、CPU は Dual 構成でなくなり、グラフィックボード以外は、普通のマシンになりました。それでも、3D 専用の高価なグラフィックボードを導入したので、36万円くらいでした。



いよいよつぎは、PS3 用の開発を行っている現行機なのですが、DELL の Core2Duo 2.2GHz のマシンに最近変更しました。このマシンの価格は約18万円で、前回のマシンのさらに半額になりました。CPU の動作周波数が、前回のマシンと比べて、低下しているのが、世の中の流れを特徴づけているようなかんじですね。あと、価格低下の原動力になったのは、グラフィックボードを一般向けのグラフィックボードに変更したことが特に影響しています。具体的に言うと GeForce 7900GS で、このグラフィックボード、一般向けのグラフィックボードというだけでなく、特にハイスペックなモノでもなくて、ミドルレンジの普通の商品なんですよ。しかし、PS3 の開発では、それで十分ということがわかったんですね。



価格とスペックについてまとめると、下記のような感じになります。



  • PS1 時代
    200万円 DEC PentiumPro 200MHz Dual, RAM 256M


  • PS2(初期)時代
    68万円 DELL PentiumIII 600MHz Dual, RAM 512M


  • PS2(後期)〜 PSP 時代
    36万円 DELL Pentium4 2.4GHz, RAM 2G


  • PS3 (現在)
    18万円 DELL Core2Duo 2.2GHz, RAM 2G


いやー、この価格の安くなり具合には、スゴイものを感じますし、「チープ革命」ってコトバも実感できるというモノです。さらに補足しておくと、現在のマシンは、これでも会社用ということで、十分な保証(4年間翌日出張修理)と、MicrosoftOffice のプリンインストール付きなんですよ。これらがなければ、あと3〜4万円くらい、下がると思います。うーむ。



実際、この10年で、マシンの値段は10分の1以下になっているんですね。安くなったとは思っていましたが、まとめてみて、あらためて痛感しました。



2006年10月11日水曜日

XML と YAML

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現在のプロジェクトで必要になったので、XML を調べることに。これまで、XML はRSS などで利用するだけだったので、実際に理解して、それを作成するプログラムを書くのは初めてです。



で、ちょっと調査し始めて痛烈に感じたのは、「XML めんどくさー!」の一言。なんつーか、軽く作って、軽く使いたいだけなのに、理解しておかなくてはいけないことが多いコト、多いこと。しかもめんどくさいだけで、作成に関してなにか技術的ハードルが有るわけではないので、モチベーションも今ひとつ上がらないまま、Ruby スクリプトを書き終えましたヨ。ふぅ。



ところで今回 XML を調査するその過程で、YAML というフォーマットを知ったんですよ。これは、XML の逆を行くようなフォーマットで汎用性は低いけれど、シンプルで理解しやすいというモノなんですよね。しかも、フォーマットのレベルで、配列やハッシュ、そして参照などが定義されているので、使う方が考えなきゃいけないことが少ない。



ちなみに、自分が好きな Ruby に対応するライブラリが整備されていることもポイント高いかも。ネット上に良い記事も充実してるし。



で、考えたのは、このフォーマットってゲームのセーブデータやデータテーブルに持ってこいなのではないかということです。これまで、ゲームのセーブデータやテーブルって言うと、バイナリが大前提だったとおもうのですが(すくなくともコンシューマでは)、バイナリでなにが困るかというと、ちょっとデータ構造がかわるとすぐにアクセスできなくなってしまうコトです。



たとえば、セーブしなきゃいけない情報が追加されると、もう、古いデータが使えなくなりやすい(というか、大抵、つかえない)のですね。バイナリの場合。



これは CD-ROM などで配布するゲームでは良かったのかもしれませんが、ネットワークゲームのように、随時、バージョンアップされていくようなゲームでは、かなりまずい事態を引き起こしかねません。



ある日、ゲームにパッチを当てたら、セーブデータが使えなくなったと言うことは許されないわけですし。で、その為に、セーブデータをコンバートをするようなプログラムを制作側が提供しなくてはいけなくなったりとか、いろんな手間、不都合が考えられるわけです。



しかし、たとえば、シンプルだけれど、柔軟性が高い YAML の様な形式でセーブデータを保存しておければ、そんなにコストをかけずに新しい情報が増えても柔軟に対応していけるんじゃないかと思ったわけです。



もちろん、テキストのままだと、簡単に改造されてしまうので、なんらかの暗号化は必要だと思いますけれどね。



PS3 の様にゲーム機のスペックが相当なレベルまで上がってしまっている昨今では、ゲームのデータにも多少の冗長性を持たせたところで、YAML のパースなんて、一瞬でおわるだろうし、ほとんど困らないと思いますから、こういった点もこれまでと変わっていくところなのかもなーとか、適当に考えたりしたのでした。



というか、パソコンの世界では、当たり前のことなのかもしれないですけれどねー



2006年10月7日土曜日

Wiki はじめました

P1010257すっごいいまさら感があるのですが、
最近、社内のサーバに Wiki を導入し、ゲームの仕様や制作上のおぼえがきなどを Wiki ベースで構築していくようにしました。



導入したのは PukiWiki という PHP ベースの Wiki です。



以前から Wiki の有用性は認識していたんですが、実際に使ってみると、ホントにいいですね!んー、もっと早く導入していればよかった!



実際に使ってみて、特に Wiki がゲームの仕様書作成にマッチしていると感じたのは、ゲーム制作って、作っている最中に仕様をバンバン変更したり、また仕様を決めながら作っていくことが多いんですよ。だから、コツコツと仕様をまとめていけて、その都度、修正をかけていける Wiki は最高にマッチしていた訳なんです。しかも必要になるのは、ブラウザのみなので、スタッフの全員が簡単に最新情報にアクセスできて、編集もできるという、この素晴らしさ。



あと、これは PukiWiki が素晴らしいのかもしれないのですが、動作がすごく軽いのがいいですね。実はこの PukiWiki にいたるまで、いろんな CMS 系のソフトを試したのですが、どれも結構重くて、ちょっと導入に踏み切れずにいたのでした。



それらの最新の CMS に比べると PukiWiki はずいぶんとシンプルなんですが、それを補ってあまりある、軽さと汎用性の高さは最高です。



もし、ゲームの仕様書作成になにかいいツールはないのかなーとか、考えている方がいるなら間違いなくオススメですヨ(いまさら言われんでも...とか思われているかもしれませんが)。あ、あと導入に際して、参考にした本を紹介しておきます。Wiki の情報は Web 中に溢れているのですが、いろんな場所に情報が拡散しているんですよね。そんな中でこの本は実用的な情報がよくまとまっていたので、短い時間で運用に踏み切れました。オススメです。











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