2008年10月31日金曜日
ツクモ電機のおもいで
今日、ツクモ電機が民事再生法の手続きを申請したそうだ。ニュースによると10月分の売掛金と手形で不あたりを出す事が確実になったので、それに先駆けての申請だったみたい。
実は自分は、大学生のときにツクモ電機で1年ほどアルバイトさせてもらった経験があるんですよ。その事もあって、非常に感慨深いものを感じてしまってます。その当時(1992年頃)は、PC-9801 のフロアに配属されていたので9801をばんばん売っていたのを覚えてるなぁ。機種的には、PC-9801RA21 から、PC-9801FA に変わる頃で、新機種が出て安くなった RA21 は本当に飛ぶ様に売れていた。
ツクモの特徴は単に安売りするだけじゃなくって、それなりに大きい店なんだけれど、マニアックな商品も品揃えもあり、いろいろ詳しい店員がいる、そして値引きもあるという立ち位置で、当時の秋葉原では確固とした地位を築いているカッコいいお店だったとおもう。そして、オリジナルのソフトや周辺機器も作っていて、それらはマニアにも人気が高かった。自分も使っていたのは、ツクモオリジナルの9801用の外付け5inchFDD とかかな。スイッチで内蔵FDDと外付けFDDのドライブ番号を返ることができるユニークな商品で、なかなか便利だった。
あと、Macintosh とか、X68000とか、TRON(超漢字OS!)とかマイナーなパソコンもちゃんと扱っている本当にいいお店で、それらの機種がらみのファンも多かったと思う。X68000とか、専用の周辺機器がほとんどないから、9801用のHDDを独自にX68000で動作保証して売っていたりとか、ジョイティック端子をつかってパラレルポート通信するスキャナアダプターを製品化したりとか、やるきまんまんだった。そうそう、アルバイトでも社員割引でパソコンが変えたから、ツクモでアルバイトしたお金で、ツクモでいろんなものを買っていたなぁ。まさに、マッチポンプ。その中でも、 Macintosh SE/30 は今の会社の席の後ろに飾ってあったりして、いまだに持っている。いやもう、懐かしい事この上ない。(写真参照)
そんなかでも一番の想い出は、アルバイトにも販売価格の裁量が認められていたので、やりがいがあって楽しかったと言う事。どういうことかというと、毎週、主要な機種の「通常売値」と「底値」の両方を書いたメモを渡され、その間なら、いくらで売ってもOK といった具合。もちろん高い値段で売った方が利益が大きいので、お客さんとの交渉次第で価格をきめろという訳。おかげで、お客さんとの駆け引きがなかなか楽しかった。当時はネットの情報もなくて、大抵のお客さんは何件もお店を回るから、いきなり即決という事はないのが普通。そこで、よく使った売り文句は「全部お店を回ってから、またきてくださいよ。戻ってきてもらえたら、値段、がんばりますから!」とかいっておくと、たいてい戻ってきてくれるので、そこでその人の最安値を聞いて、それよりちょっと安めの端数を丸めた位の金額を提示して、買ってもらうというパターン。それもツクモ電機の底値はけっこうがんばった価格設定になっていたから、提示された最安値にも結構追従できたんですよね。けど、それでも対応がムリな価格もたまにはあって、でも、戻ってきてくれたお客さんは、かなり買ってくれる確率も高い人だから、そういう時は店長に相談して対向価格を出してもらう事もあったりした。いまおもうと、少々のんびりしたいい時代だったのかもしれない。DOS/V の時代になってパーツ販売が中心になると、価格交渉とかほとんどなくなったしね。
まぁ、そんなカンジでそんな時代の中、約一年間って言う短い間だったけれど、パソコン販売の最前線に立つことができたというのは、学んだ事も多くって、その後の人生にもイロイロと役に立つ事が多かった。
このままお店がなくなる訳ではなくて、民事再生法の適用を受けて再建を目指すとの事なので、厳しい道のりだともうけれど、ホント、がんばってほしいと思います。
応援してます!
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